ドル円は上値重く後半に伸び悩み 21日線を維持できず

 きょうのNY為替市場は、先週末に米上院が税制改革法案を可決したことでドル買いが優勢となった。
米国債利回りも上昇し、ダウ平均も最高値を更新するなか、米経済への先行き期待が高まっているようだ。

 ただ、ドル円は何度か113円台に乗せるものの上値に躊躇している雰囲気も強い。
そのうち米株式市場でナスダックが下げに転じ、ダウ平均も伸び悩んだことから、一時112.35円付近まで伸び悩む動きとなった。
21日線が112.60円付近にきていたが維持できなかった。

 先週末はフリン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)のロシア疑惑に関する裁判所での有罪証言で市場に動揺が広がった。
ドル円も短時間に111.40円付近まで一気に落とされている。
北朝鮮同様にトランプ大統領のノイズは常にそこにあるリスクであることは市場も承知している。
この1年で市場もかなり慣れてきている感もあるが、先週末のような急落を見せられると手を出しにくいにかもしれない。

 ユーロドルは利益確定売りに押され、一時1.1830ドル付近まで値を落とす場面が見られた。
ただ、先週も1.18台前半に来ると買いオーダーも出てサポートされていたが、本日も同様の動きとなった。
きょうはEU離脱交渉の負担金で合意できなかったことで、ポンドがロンドン時間の上げを縮小しており、対ポンドでの下げが緩んだこともユーロを底堅くしていたようだ。

 市場ではあくまで調整の動きで、下がったところではユーロを拾う行動を推奨する向きは多い。
目先の下値サポートは先週の安値1.1810水準、更に1.17台に入ると100日線が1.1790付近、21日線が1.1775付近に来ている。

 気掛かりなドイツの政局だが、最大野党の社会民主同盟(SPD)の指導部はメルケル首相との連立に向け予備交渉開始を承認した。
SPDのシュルツ党首は「時間のプレッシャはない」と述べていたが、市場では連立政権樹立を楽観的に見ているようだ。

 ポンドは上に往って来い。
きょうブリュッセルでメイ英首相とユンケル欧州委員長が会談したが、EU離脱で合意することができなかった。
アイルランド国境の問題が壁となった模様。
きょうにも合意が出る可能性があるとのEUのバルニエ首席交渉官の発言が欧州議員から伝わり、ロンドン時間にポンドは急伸していた。

 ポンド円は153円台手前まで急伸後、NY時間に入って151円台半ばに戻し、ロンドン時間の上げを帳消しにしている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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