FOMC議事録を受けドル売り加速 ややインフレ鈍化への警戒も滲ませる

 きょうのNY為替市場はドル売りが強まり、ドル円は一時111円台前半まで下落している。
この日発表になった10月の米耐久財受注が予想を下回ったことをきっかけに朝からドル売りが強まった。

 米耐久財受注は航空機の減少が全体を圧迫し予想外の減少となった。
ただ、GDP算出に使用される出荷ベースのコア資本財は前月比0.4%と予想(0.3%)を上回った。
GDPの設備投資の見通しに関してはポジティブな数字とも言え、今回の耐久財受注はFRBの見通しに大きく影響を与えるとまでは思われない。
しかし、明日の感謝祭休暇を控えて薄商いの中、米10年債利回りも下げに転じドルを圧迫した模様。

 市場では米米税制改革法案の年内成立への不安感や、インフレ鈍化を材料にしたドル売りが感謝祭休暇明けもしばらくは続くと見ているのかもしれない。

 午後になってFOMC議事録が発表され、更にドル売りは加速した。
「多くは近い将来の利上げが正当化されると見ている」と12月利上げを示唆している。
ただ、それ自体は既に織り込み済みで注目はインフレに対する見解。
インフレ目標の2%を下回る水準が予想以上に長引く可能性が指摘されおり、スタッフからは総合のPCEは来年には上向く可能性が指摘されていたものの、コアPCEに関しては、来年は見通しが下方修正される可能性も指摘されていた。
インフレ目標の達成は2019年との見解。

 FOMCのボードメンバーは景気回復と伴にインフレは上昇との見方だが、これまで以上にインフレ鈍化への警戒感も滲ませる内容となっている。
なお、緩やかな利上げという道筋には変化はない。

 ドル円はきょうの下げで200日線をブレイクしたほか、9月から11月はじめにかけての上昇波のフィボナッチ38.2%戻しの水準を下回ってきている。
定石どおりであれば、50%戻しの111円ちょうど付近までの下げの可能性も警戒され、目先は意識されそうだ。

 一方、ユーロドルは買い戻しが加速。
ここ数日1.17ドル割れを試す動きも見られていたが押し目買い意欲も強く、1.17ドル台は維持されていた。
そのような中、きょうは買い戻しに拍車がかかったようだ。
さすがに1.18ドルには慎重だったが、FOMC議事録を経て一気に1.18ドル台を回復。
目先は先週の高値1.1860ドル付近が上値レジスタンスとして意識される。

 あまり反応が無かったが、きょうは11月のユーロ圏消費者信頼感指数が発表になっており、+0.1と2001年1月以来のプラスに浮上。
このところ雇用を中心に景気回復の兆しを強めており、消費者のセンチメントは急速に改善しているのかもしれない。

 ポンドドルは1.33ドル台に上昇。
きょうはハモンド英財務相が秋の財政報告を発表していた。
その中で向こう5年の成長見通しを大きく下方修正している。
ポンドも発表直後は急速に売り込まれる展開となったが、直ぐに反転した。

 下方修正はある程度想定されていたこともあり驚きはなかったようだ。
むしろ、市場は直ぐにEU離脱交渉に関心を戻している。
若干ではあるが進展も見られているとの観測もありポンドを下支えしている。
今回の財政報告は特に英中銀の見通しに変化を与える内容ではなかったようだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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