ありもしない架空の論文が何百ものサイエンス系記事に引用されている

「参照:Phantom」ならフェイクかも。

大学時代、どれほど熱心にレポート書きましたか? レポートに関係するもの、たとえば引用元となる本や論文の隅々まで読んでましたか? それとも、必要な箇所だけちゃちゃちゃっと目をとおす程度でした? きっとね、世の中のほとんどの人は後者なんですよ。
でなきゃ、実際には存在しない論文が何百回もあちこちで引用されるなんてこと起きないですもん。

オランダのライデン大学のPieter Kroonenberg教授が、サイエンス系記事執筆のためにあれこれリサーチしていると「参照:Phantom」というものを発見。
この参照元となる記事は、実際には存在しません
これはどういうことかと、ロンドンのミドルセックス大学のAnne-Wil Harzing教授が詳しく調べてみると、サイエンス系メディアのElsevierが、引用のやり方を示すために書かれた例文だったということがわかりました。

驚くのは、この存在しない論文=ただの例文の一説を引用していたサイエンス系記事が400件近くもあったということ。
Google Scholar検索では700件以上もでてきます。
Harzing教授いわく、引用した記事の多くが「参照元Phantomの論文は信憑性が低い」としているとはいいますが…。
低いどころか、存在していないというね!

ちょっとした怠慢が引き起こす偽りの情報。
悪意はないかもしれないけれど、嘘が広まるのは同じ。
特にサイエンス系は、研究判断を行なうのが難しいうえに、お金を払えば論文を掲載してくれるというパターンもあり、真意を見極めるのは至難の技。

Oransky氏は、「参照:Phantom」問題を笑い話としつつ、引用するとき気をつける人が増え、サイエンスメディア界が向上していけばと語っています。
もちろん、教授自身を気を引き締める思いだとか。

Image: Shutterstock
Source: Retraction Watch, Wikipedia, Elsevier, Middlesex University

Ryan F. Mandelbaum – Gizmodo US[原文]

(そうこ)

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