米税制改革法案への不透明感でドル円は一時113円台前半に下落

 きょうのNY為替市場は米税制改革法案を巡ってドル売りが強まった。
きょうは各国で株式市場が利益確定売りに押されるなど、このところのリスク選好のムードが一服していた。
そのような中、米上院共和党のカシディ議員(ルイジアナ州)の発言を受けドル売りが加速している。

 カシディ議員は、上院が提出する税制改革法案は法人税減税を2019年1月開始に先送りする案を盛り込む計画だと述べている。
また、所得税の課税区分も下院共和党案の7区分から4区分への簡素化はなく、現行のままとしている。

 法案成立の遅れも懸念される中、午後になって米上院案の概要が公表された。
法人税減税については2019年からの適用で1年先延ばしている一方、住宅ローン減税は現行のまま最大100万ドルのローンまで適用。
下院の案では50万ドルに縮小していた。
所得税の課税区分は7区分のままだが、税率は若干下がっている。
最高税率は38.5%で現行の39.6%より低い。

 一方、下院歳入委員会は下院共和党の法案を修正したうえで可決した。
修正案では、企業が海外に留保している資産を米国内に還流する場面の一時的減税措置について、当初の案では現金など流動性資産には12%、非流動資産には5%の暫定的課税となっていたが、それぞれ14%、7%に2%引き上げるよう要請している。
来週、本会議で投票する。

 ドル円は一時113.10付近まで下落。
株安にもかかわらず、序盤は米国債利回りの上昇にサポートされ、113.70付近まで買い戻されていた。
しかし、カシディ議員の発言を受け失速。
本日の21日線は113.35付近に来ていたが、その水準を一時下回った格好。
その後、終盤になって21日線付近まで戻す展開。

 一方、ユーロドルは1.16台を回復し、一時1.1655付近まで上昇。
ユーロ買いというよりもドル売りがユーロドルを押し上げた。
ただ、上昇トレンド復活という雰囲気まではまだ見られない。

 ユーロドルに強気な見方をする向きからは、買いの好機との指摘も早速出ている。
購入規模は減額されるものの来年以降もECBの量的緩和はしばらく続く一方で、米税制改革の混乱とFRBの利上げを巡ってドルは不安定な動きが予想されることから、ユーロドルは再び上値を目指すと見込んでいるようだ。

 目先は21日線が1.07ちょうど付近に来ており上値レジスタンスとして意識される。

 ポンドドルもNY時間に入って買い戻し。
きょうから再開しているEU離脱交渉への懸念から上値が重いものの、ポンドドルはドル安に助けられ1.31台を維持している。
きょうも一時1.30台に下落していた。
ロンドン時間に戻り売りで下落し、NY時間に買い戻される展開がここ数日、続いている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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