明晰夢を過去最高の確率で見られる科学的な方法が判明

明晰夢を過去最高の確率で見られる科学的な方法が判明

夢であることを自覚しながら見る「明晰夢」は自分の思い通りにコントロールできることがあり、人の楽しみになるほか、PTSDやトラウマの治療にも役立つと考えられています。
なかなか明晰夢を見るための現実的かつ効果的な方法が確立されない状況が続いていますが、研究者が新たに、特別な外部刺激を必要とせずに明晰夢を見られるようになる手法を発表しました。

Reality testing and the mnemonic induction of lucid dreams: Findings from the national Australian lucid dream induction study.
http://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fdrm0000059

A Technique To Control Your Dreams Has Been Verified For The First Time | IFLScience
http://www.iflscience.com/brain/a-technique-to-control-your-dreams-has-been-verified-for-the-first-time/

Scientists Want to Help You Have Lucid Dreams
https://www.livescience.com/60759-how-to-lucid-dream.html

寝ている時に「これは夢である」と自覚しながら夢を見て、状況を思い通りにできる「明晰夢」について研究については、過去にフランクフルト大学の研究チームが「前頭部を通して脳に微弱な電流を流すことで、明晰夢が高い確率で見られるようになる」という報告を行っています。

明晰夢の状態を脳に外部から電気刺激を与えることで作り出せることが判明 – GIGAZINE

この他、明晰夢を見られるようになるというヘッドバンドや……

明晰夢を見られるように誘導してくれるヘッドバンド「LUCI」 – GIGAZINE

明晰夢誘導を含めて睡眠コントロールを行うアイマスク「Neuroon」なども登場しました。

世界初の睡眠コントロールで1日2時間睡眠を可能にする「Neuroon」 – GIGAZINE

しかし、実際に製品化された「Neuroon」では明晰夢誘導機能が「2018年に追加予定」となっており、明晰夢を誘導するのはかなり困難であるのも事実。
これまでの研究によると、51%の人が少なくとも一度は明晰夢を見たことがあるとしていますが、多くの人にとって明晰夢を見る経験というのは珍しい経験です。

世界初の脳波を計測して睡眠の質を改善する高性能アイマスク「Neuroon」レビュー – GIGAZINE

そんな中、オーストラリア・アデレード大学の心理学者・Denholm Aspy氏らの研究によって、光の点灯や電気刺激など外部からの介入なしに、高確率で明晰夢が見られる方法が編み出されたと報告されました。

Aspy氏らの研究チームは、既存の3つテクニックを併せて使うことで明晰夢の誘導を実行しました。
テクニックのうち1つは被験者に夢の中で呼吸などの意識を持ってもらう「リアリティチェック」という方法、2つ目は睡眠後5時間が経過した時点で目覚めて数分起きてからベッドに戻るという「wake back to bed(WBTB)」、3つ目はWBTBと同じく5時間が経過した時点で目覚めて、再び眠る前に「次に夢を見るとき、私は夢を見ていることを覚えている」と何度も唱えるという「Mnemonic Induction of Lucid Dreams(明晰夢誘導記憶術/MILD)」と呼ばれる方法です。

Aspy氏は169人の被験者を対象に実験を行い、1週目は平時の被験者が明晰夢をどれくらいの確率で見るのかを記録。
そして2週目に、3つのテクニックを単体あるいは複数の組み合わせで1週間にわたって被験者グループに試してもらいました。
すると、単体で最も効果が高かったのは、5分間の覚醒時間を挟んだMILDで、明晰夢を見られるようになる被験者は46%に上ること、そしてリアリティチェック単体では明晰夢が見られる確率を増加させないことが判明しました。

さらに、3つのテクニックを全て実行すると実験期間中に53%の被験者が明晰夢を見たとのこと。
このとき被験者のうち17%については、期間中、明晰夢を毎晩見ることに成功したと言います。
Aspy氏によると、この結果は、REM睡眠を検知して人の目に光を入れるアイマスクといった外部からの介入を行わない実験結果のうち、過去最高の記録だそうです。

スタンフォード大学に在籍する睡眠医学の専門家・Rafael Pelayo氏は、今回発表された研究に関して「明晰夢に関する研究が存在するとはいいことです」と語り、2017現在はまだ研究数が多くないものの、明晰夢は将来の研究分野になりうるとしています。
明晰夢の最中の人の脳をスキャンした研究では、明晰夢を経験している時、人の脳は「眠っている状態」と「起きている状態」の両方を兼ね備えたハイブリッドの状態に近いことがわかっているのも興味深いところです。

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