身売りがウワサされるTwitterのCEOが作ったもう1つのサービスSquareだけが急成長しているのはなぜか?

身売りがウワサされるTwitterのCEOが作ったもう1つのサービス「Square」だけが急成長しているのはなぜか?

Twitterは収益を生み出すのに苦心しており、頻繁に売却の話が報道されています。
一方で、Twitter創業者であるジャック・ドーシー氏が設立したモバイル決済サービス「Square」は近年躍進を続けています。
なぜTwitterが低迷し、Squareが収益化に成功しているのかは、ニューヨーク・タイムズによると「タイミングとコントロールの問題」とのこと。

Square, the Twitter Boss’s Other Company, Could Pass It in Value – The New York Times
https://www.nytimes.com/2017/10/25/technology/jack-dorsey-twitter-square.html


2009年、iPhoneをクレジットカードの決済端末にする「Square」というサービスがスタートしました。
Squareは2013年から日本でも利用が可能になっており、以下から決済の様子を見ることができます。
設備を持たない小規模な事業者でも簡単にクレジットカード決済が可能になるという点は画期的です。

iPhoneやiPadなどをクレジット決済のレジ代わりにできる「Squareリーダー」を実際に使ってみました – GIGAZINE

そんなSquareを率いるのは、Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏。
ドーシー氏は2006年にTwitterを設立し、一時はCEOから退いたものの2015年に再び「暫定的なCEO」として復帰します。
その後、正式なCEOとして就任したドーシー氏は、2017年現在はTwitterとSquare両方の企業のCEOを務めています。
ニューヨーク・タイムズによると、ドーシー氏は1日のうち午前中をTwitter、午後をSquareの職務にあてており、午後になるとサンフランシスコにある2社間を歩いて移動するそうです。

Twitterは全世界にユーザーを持ち広く使われているものの、収益を生み出すのに苦労しており、身売り先を探し中とも報じられていました。
一方で、始めの頃こそ評価が高くなかったSquareですが、近年はその価値を上昇させています。
以下のグラフは紫色がTwitter、青がSquareの時価総額を示しており、2016年以前は大きな開きがあった2社の時価総額が記事作成時点ではほぼ同じになっているのがわかります。


2015年にドーシー氏がCEOとして復帰した後も、Twitterは資金繰りに苦心しています。
一方で、iPhoneを使ったモバイル決済から始まったSquareは、より広範な金融サービスの提供をしていくことに成功しました。
Twitterの2017年の第2四半期の収益は前年度比で5%減となっていますが、Squareは26%増であるとのこと。

なぜTwitterとSquareでこんなにも状況が違うのかという点について、ニューヨーク・タイムズは「タイミングとコントロールの問題」だと見ています。
ドーシー氏はSquareを1から作る過程で、Twitterでの失敗から学んだ教訓を生かすことができました。
一方、2015年に復帰したTwitterでは役員の扱いや各人の戦略についてのビジョンの違いなど内部の問題が多すぎて、うまくかじを取れないのです。
ドーシー氏は「初期のTwitter内部で生まれた混乱は自分がコントロールを取れなくなったためだ」と考えていることから、Squareでは人の雇用と報酬に関する決定を常に行っているのだとSquareの創業に携わったランディ・レディング氏は説明しています。

フランスに本拠を置くコンサルタント企業・キャップジェミニは電子支払いサービスの市場が2015年から2020年までに年間10.9%のペースで成長すると予測しており、この波を受けてSquareは躍進を続けていると言えます。
しかし、Squareの目標は単なる「支払いサービス」で成功することに留まりません。
2017年夏にはアメリカ・ユタ州で銀行設立届けを提出しており、大手銀行に代わる選択肢となるべく新たな展開を行っています。

一方で、個人ユーザー向けの送金サービス「Square Cash」も2014年からスタートしています。
Square CashはPayPal傘下の個人向け送金サービス「Venmo」のライバルとして説明されることが多いアプリ。
これまではVenmoの人気が高かったのですが、ここ数カ月ではiOSアプリとしてもAndroidアプリとしてもSquare Cashのダウンロード数がVenmoを上回っています。
アプリのデザインを含めてSquare CashはVenmoとは異なる選択をしており、銀行振替ではなくデビットカードのネットワークを使用したことも有利に働いたとニューヨーク・タイムズは見ています。
デビットカードのネットワークを利用することで銀行口座にお金を振り込むことや、サービス利用料を徴収することにが簡単になったのです。
この選択によって、クレジットカードをいくつも持っていない低収入のユーザーにSquare Cashが選ばれるようになったとのこと。

2013年までSquareのCOOを務めていたキース・ラボア氏は、Square Cashは「複雑さが要求されるプロダクトをシンプルにすることができるドーシー氏の技量を反映している」としています。

本格的にビジネスを拡大するにあたってSquareは使用料を下げる必要があるという声もありますが、返済期限なしの事業資金前貸しサービス「Square Capital」による収益が急上昇していることもあり、Square関連の事業は多くの人が成長を期待するところ。
一方でアナリストたちはドーシー氏がSquareではなくTwitterに時間を割いていることを懸念しているそうですが、この点についてドーシー氏は「1つのことに集中することが、もう一方を見落としてしまうことにはならない」としてTwitterでの仕事を続ける意向を示しています。

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