傷はないのに血を汗のように顔や手から流す女性の症例が報告される

傷はないのに血を汗のように顔や手から流す女性の症例が報告される

外傷は全くないにも関わらず、血を汗のように顔や手のひらから流す女性の症例が報告されました。

A case of blood sweating: hematohidrosis syndrome
http://www.cmaj.ca/content/189/42/E1314

Sweating blood: bizarre disorder baffles doctors – Health – CBC News
http://www.cbc.ca/news/health/blood-cmaj-health-hematohidrosis-disease-1.4365126

‘Sweating’ blood: mysterious case leaves Canadian experts searching for answers | World news | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2017/oct/23/sweating-blood-hematohidrosis-canada

イタリアに住む21歳の女性は、3年ほど前から「血の汗」を流すという症状に見舞われているとのこと。
症状が起こるようになった切っ掛けを女性は認識しておらず、原因は不明ですが、活動中あるいは睡眠時に頻繁に血の汗が噴き出るそうです。
血が吹き出る期間は1回につき5分ほどで、大きなストレスにさらされると汗の量が増すと報告されています。


フィレンツェ大学の皮膚科医・Roberto Maglie氏はカナダのニュースメディアCBCの取材に対して患者の詳細を明らかにしていませんが、女性はこの症状を理由に社会的に孤立し、うつやパニック障害を発症していたそうです。

女性患者の血球数や血液凝固反応は正常であるため、当初は「作り話ではないか」と医師らは疑っていたのですが、最終的には血汗症であると診断されました。
血汗症は非常にまれな疾患で、原因は記事作成時点で不明。
今回の患者である女性についても「血液が凝固能力を失った可能性」や「組織内の小さな欠陥の破裂」「極度の感情状態が肉体的な疾患へとつながった可能性」が示唆されていますが、確かな原因については明らかになっていません。
なお、血の汗は汗腺がない場所でも起こるとのこと。

カナダ・トロントのMichelle Sholzberg医師は、血汗症を出血性疾患として見ておらず「顕微鏡でしか見えないレベルでの解剖学的な欠陥が存在するのでは」と考えているとのこと。

医学歴史家のJacalyn Duffin氏によると、血汗症の歴史は宗教的な言及と複雑に絡んでおり、純粋に医療的な事柄と宗教的な言及とを分離するのが難しいそうです。
有名なところではイエス・キリストが血汗症を経験していますが、キリストが登場する以前に存在したアリストテレスも血汗症だったと言われています。
また、16世紀ごろからはキリストの磔とは関係のない血汗症の医療報告が現れているとのことです。
ある報告では、高熱を出した12歳の少年が血の汗をかき、また死刑を宣告された人が極度のストレスから血の汗をかいたとも言われています。


Duffin氏によると、2000年以降に報告された血汗症患者は18人に上っており、多くが子どもや若い女性でした。
これらの患者の多くは学校や自宅で暴力の現場を目撃したことから血汗症を発症し、1カ月から4年の間、症状が続いたそうです。
Duffin氏は血汗症に注目した記事が少ないのは宗教上の扱いがあるためだと見ていますが、徐々に状況は変わりつつあり、医師らの認識も高まることで、報告数も増加しているそうです。

血汗症は致死性の疾患ではありませんが、患者にとっては恐ろしいもの。
症例が報告されたイタリア人女性はプロプラノロールという不整脈や狭心症の治療に用いられる薬で症状を緩和させることに成功したものの、完治には至っていないそうです。

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