遺伝子編集技術CRISPRで低脂肪ベーコンも可能研究者らがブタを低脂肪にすることに成功

遺伝子編集技術「CRISPR」で低脂肪ベーコンも可能、研究者らがブタを低脂肪にすることに成功


遺伝子編集技術「CRISPR」によってゲノム編集に必要なコストは99%も削減され、必要な時間も1年単位から数週間レベルにまで短縮されるようなりました。
CRISPRは遺伝子編集が世界中の研究室で行えるようになった革命的な技術ですが、一方で倫理的な問題も残されています。
そんな中、中国の研究チームがCRISPRを使用し、低脂肪で飼育コストも削減できる豚を開発しました。

Reconstitution of UCP1 using CRISPR/Cas9 in the white adipose tissue of pigs decreases fat deposition and improves thermogenic capacity
http://www.pnas.org/content/early/2017/10/17/1707853114

CRISPR Bacon: Chinese Scientists Create Genetically Modified Low-Fat Pigs : The Salt : NPR
http://www.npr.org/sections/thesalt/2017/10/23/559060166/crispr-bacon-chinese-scientists-create-genetically-modified-low-fat-pigs

Low-Fat Bacon? Scientists Use CRISPR to Breed Petite Piglets
https://www.livescience.com/60747-crispr-creates-low-fat-piglets.html


中国・北京の研究機関Institute of Zoology Chinese Academy of Sciences(IOZ)の研究チームが通常と比べて体脂肪が24%低い豚を作ることに成功しました。
研究を行ったJianguo Zhao氏によると、CRISPRによって遺伝子編集された豚は通常の豚よりも体温維持機能が優れており、より多くの脂肪を燃やすことができるとのこと。

多くのほ乳類は気温の低い環境において体温の調節を行う「UCP1」という遺伝子を持ちます。
今回、研究チームは遺伝子編集したマウスのUCP1を豚の細胞へと移植し、2553個以上のクローン豚の胎児を作り出しました。
そして、豚の胎児を13匹のメスの豚に移植したところ、3匹の豚が妊娠し12匹の子豚を出産したとのことです。

低脂肪豚の味は記事作成時点では不明ですが、Zhao氏は遺伝子編集によって豚の味は変化しないと考えている様子。
遺伝子編集された低脂肪な豚は商品として需要が生まれるほか、豚農家が飼育場を暖める費用やえさ代を削減できるようになると見られています。

ミズーリ大学コロンビア校で動物科学を研究するR. Michael Roberts氏は、「この技術は、動物の福祉と製品としての質を両方とも向上させています」と語り、論文の重要性について言及ました。
しかし、アメリカやその他の国で遺伝子編集された豚が食肉として流通するかどうかについては、アメリカ食品医薬品局(FDA)の認可が下りるかという問題を含めて疑問視しています。
FDAは過去に遺伝子編集したサーモンの輸入を許可していますが、認可が下りるまでには数十年を要したとのこと。
また、食品の安全を説く団体の大きな反発もありました。

一方で、人口の増加による将来的な食糧危機が懸念されている現代において、遺伝子編集のアプローチは大きな助けになるだろうとユタ州立大学のChris Davies准教授は述べています。

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