ポジティブな米雇用統計も北朝鮮への懸念でドル円は失速

きょうのNY為替市場、この日の米雇用統計を受けドル買いが強まったものの、北朝鮮への警戒感が高まりドル円は失速している。

 その米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)は予想外の減少となっていた。
ただ、ハリケーンの影響から今回はノイズと受け止められており、労働市場の基調を示すものではないと見られている。
一方、ハリケーンの影響が出にくいと思われていた平均時給が大幅に上昇し更に、労働参加率が上昇した中での失業率の下げは心強い内容であっただろう。

 全体的にはポジティブな内容との受け止めが主流で、CMEがFF金利先物から算出しているFEDウォッチでは12月FOMCでの利上げ確率を90%超まで高めていた。

 ドル円は米雇用統計発表後に113.40近辺まで上昇。
ただ、これまでドルはだいぶ買われていたことから、米雇用統計をきっかけに利益確定売りも出ていた中、ドル円はストップを巻き込んで112.60付近まで急速に下げている。
後半になっても戻らず完全に失速した格好。

 ドル売りも然ることながら、円買い圧力も加わっていた。
北朝鮮が週末にミサイル実験を行うとの憶測が流れていた。
ロシアのモロゾフ下院議員の発言がきっかけとなっていた模様で同議員は、「北朝鮮は新たな長距離ミサイルの実験を準備しており、米西海岸を攻撃することが可能だとの数学的な計算すら示した」と述べていた。
同議員は今週、北朝鮮を訪問している。

 10月10日は朝鮮労働党の創建記念日であり、かつ、日本では総選挙の公示日でもある。
タイミングから言えば、今週末は要警戒なのかもしれない。

 一方、ユーロ円は132円台前半での振幅が続いた。
基本的にはドル円とユーロドルに挟まれて身動きが取れない状態だったようだ。
きょうは132.75付近まで上昇していたものの、北朝鮮への警戒感からの円高で伸び悩む展開となっている。

 このところ、ユーロ自体の調整が続いており、ユーロ円も上値の重い展開が続いている。
テクニカル的には10日線と21日線のデットクロスを示現しそうだ。
ここから更に下値模索となり、131.75水準をブレイクするようであれば、130円台が視野に入りそうな気配も出ている。

 ポンド円は一時、147円ちょうど付近まで下落。
英中銀の利上げ期待は高いものの、政局がポンドを圧迫している。
今週開催された与党保守党大会でメイ首相は、先の総選挙の敗北に関する責任問題を沈静化できなかった。
メイ首相は辞任はしないと言及しているが、党内からはメイ首相の辞任を求める議員が最大30人はいるとの発言も出ている。

 党内分裂のリスクが高まる中、いまのところ可能性は低いと見られているが、もし、メイ首相が辞任した場合、ジョンソン外相などEU離脱交渉において強硬路線を主張している議員が首相に就任するリスクを市場は警戒しているようだ。

 ポンド円は8月から9月にかけての上昇波のフィボナッチ38.2%戻しの水準を下回ってきている。
来週も反転できず、定石通りであれば、50%戻しの146円ちょうど付近が視野に入りそうな気配もあり下値警戒感は強まっている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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