もしも人がアリの探索能力を手に入れたら?を物理エンジンを使って検証するムービーが面白い

「もしも人がアリの探索能力を手に入れたら?」を物理エンジンを使って検証するムービーが面白い


蟻コロニー最適化」という蟻(アリ)がコロニー(群れ)から食べ物までの経路を見つける際の挙動を再現するアルゴリズムを用い、「もしも人がアリの探索能力を手に入れたら?」を物理エンジンで検証したムービーが公開されています。
両手と両足を地面についてアリのように歩くシュールな見た目の人間が、アリの探索能力の高さを一発でわかるようにさまざまなチャレンジに挑むムービーとなっており、一見の価値ありです。

【物理エンジン】もしも人が蟻の探索能力を手に入れたら? – YouTube


「アリさんはすごい」


「体重の5倍の重さの荷物だって運べるし」


「働きアリ(みんなメス)さんたちはコロニー存続のために」


「力を合わせて餌を探してくる」というアリの簡単な紹介からムービーはスタート。


そんな働きアリの持つ優れた探索能力を人間に与えてみる、というのがこのムービー。


アリの能力を人間に与える方法としては、ドラえもんの「動物ごっこ帽子」やテラフォーマーズの「バグズ手術」が推奨されています。
ムービー中で人間に与えられる能力は、働きアリの持つ探索能力です。


働きアリというのは、それぞれの個体がランダムに歩き回ります。


そして「巣の中には20匹」の働きアリがおり……


探索スタートと同時に家の形をした巣からアリさん(の能力を持った人間)がワラワラと出てきます。


そして、探索時は「壁や固体同士の接触は避ける」ようにアリたちは動き回ります。


「ランダムに歩かせると最初巣にいたアリさんは」


「動ける範囲で一様に拡散」します。
つまり、どんな場所であっても、十分に時間が経てば必ずいずれかのアリが通る(探索する)ことになるわけです。


そして、アリさんたちは「歩き回る過程で餌を見つけたらすぐに女王や子がいる巣に持ち帰る」という習性も持ち合わせています。


女王アリのもとまで餌を運び、その後、またすぐに餌を探しに行くわけです。


というわけで、実際に餌を配置してアリさんがどのように動くのかを検証してみます。


餌は巣の入り口の反対側に置きます。


どんな場所も必ず誰かが通るので時間が経過すれば必ず餌は見つかるはずですが、果たしてどのようになるのか。


と言っているうちにさっそく1匹の個体が餌のもとにたどり着きます。


アリさんは餌を見つけると地面にフェロモンを残しながら巣に戻ります。


餌を見つけたアリが出したフェロモンを他の個体が見つけ、それをたどって餌に到着できるようになるわけです。


他の複数の固体もフェロモン経由で餌を発見し……


巣と餌を結ぶ経路上にアリさんの行列ができるわけ。


ぞろぞろと巣の中に入っていくアリさんたち。


なお、働きアリは餌を見つける他に、育児や掃除も行います。


加えて、働き過ぎて死ぬこともある模様。


かといって、働かないアリが5割を超えると巣が崩壊してしまう、というなんとも絶妙なバランスを保たなければいけない模様。


働きアリが女王アリのもとへ餌を運ぶプロセスは大体こんな感じ。


時間が経てばフェロモンは徐々に蒸発していくので、働きアリはフェロモンが濃い方向へ進む確率が高いそうです。


そして、餌がなくなればフェロモンもなくなるので、再び働きアリたちが餌を求めてランダムに歩き回るようになります。
というわけで、これがアリの探索能力というわけ。


続いて餌を4箇所に配置してシミュレーションをスタート。


探索がスタートして、速攻で巣の正面にある餌が発見されています。


しかし、すぐに巣と餌を結ぶフェロモンルートが開通するわけではなく、複数の個体がフェロモンに気付くまでは割とまばらに餌の運搬が行われます。


それでも時間の経過と共に、巣から最も近い位置にある餌と巣の間にアリさんの行列が形成されていきます。


そして餌がなくなれば……


別のルートが強化されます。
どちらのルートがより優先されるのかは、フェロモンの濃度によって決まる模様。
近場の餌が先に処理されるのは、近くにあるためフェロモンが蒸発しておらず濃度が高いから。


そして2つ目の餌も運び終え……


しばらくして3つ目の餌を発見。


最後は巣の入り口の裏側に置かれた餌が処理されました。


続いて分かれ道の先に餌を置いて、アリがどのように餌を運ぶか観察します。


巣からアリが放たれ……


しばらく経つと1匹のアリが餌を発見し、フェロモンを出しながら巣へ向かいます。


「帰り道は等確率で分岐する道を選ぶがフェロモンが濃いとそちらを優先し巣へ向かう」とのこと。
先に餌を巣へ持ち帰るアリが多数存在する場合、巣へのルート上にフェロモンが残っている可能性が高くなります。
しかし、餌を発見したばかりのタイミングだとフェロモンが存在しない、もしくは薄いため、巣へ戻る正しいルートがわからず遠回りしてしまうこともある模様。


しかし、餌を運ぶアリの数が増えていくと……


最短距離で餌を運べるようになります。


「これは蒸発により遠回りの道のフェロモンが薄くなるから」だそうです。


というわけで、単純なルートの場合、働きアリは最短距離で餌を運べることがわかりました。
それでは複雑なルートではどうなるのかということで、渋谷駅をアリさんに歩かせるというシミュレーションを行ってみます。


餌はハチ公前に置きます。


渋谷駅の地下はこんな感じで再現。
スケールは5分の1で、正確な高さなどを再現しているわけではありませんが、複数のホームと階層による複雑さは本物そのままです。


これが本物の渋谷駅の構内マップ。


女王アリは渋谷駅の最下層にある東横線代官山方面に配置します。


今回は40匹の働きアリを使ってハチ公までのルートを見つけます。


なお、原寸大だと最初にハチ公を見つけるまでに膨大な時間がかかってしまうため、5分の1スケールを採用したとのこと。


シミュレーションがスタートしてしばらくすると、いつものように働きアリの中の1匹がハチ公前で餌を発見します。


これに続くように地下から出てきた働きアリがハチ公前から餌を運び出します。


地下ではこんな感じ。
アリたちが餌をせっせこと運んでいる最中です。


「しばらくすると2つのルートがフェロモンで強化された」とのこと。


その2つのルートというのは、ひとつが宮益坂側地下2階から3階のスロープを通るルートと……


先に半蔵門線のホームまで降りるルート。


アリさんが強化したルートを実際の渋谷駅の構内マップ上に記すとこんな感じ。
駅構内をグルグルさ迷いながら女王アリのもとへ戻るわけではなく、適切なルートで餌を運んでいることがよく分かります。


というわけで、もしも人がアリの探索能力を手に入れた場合、人間でも迷う渋谷駅の中でも迷わず適切なルートを通って女王アリのもとへたどり着くことができるようになります。

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