W3CがEMEを勧告・標準化も反対意見の封殺があったとEFFがW3Cを脱退する事態へ

W3CがEMEを勧告・標準化も反対意見の封殺があったとEFFがW3Cを脱退する事態へ


2017年9月18日にWorld Wide Web Consortium(W3C)がウェブでのムービーコンテンツ再生の著作権保護を実現するAPI「Encrypted Media Extensions(EME)」を勧告し標準化することを正式に決定しました。
EMEの導入にあたっては反対意見があり議論が紛糾していましたが、EMEに正式なゴーサインが出たことになります。
しかし、EME導入に反対していた電子フロンティア財団(EFF)は、オープンな議論がされていないと痛烈に批判して、W3Cから脱退しました。

An open letter to the W3C Director, CEO, team and membership | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/deeplinks/2017/09/open-letter-w3c-director-ceo-team-and-membership

W3C DRM appeal fails, votes kept secret | Network World
https://www.networkworld.com/article/3225456/internet/w3c-drm-appeal-fails-votes-kept-secret.html

EMEはデジタルコンテンツの無制限の利用を防止する技術DRMの一つで、ウェブで制限付きコンテンツを再生するための仕組みとして、YouTubeを擁するGoogleやXbox Liveを持つMicrosoftやNetflixなどが中心となって標準化を推し進めてきました。
APIとして提供されるEMEによって、プラグインを使うことなく著作権保護されたコンテンツのウェブでのコンテンツ管理が可能になります。


コンテンツの著作権制限をコントロールできるEMEに対しては、EFFが「ウェブユーザーを危険にさらす可能性のある欠陥を発見するためにDRMをバイパスするセキュリティ研究者が著作権侵害を訴えられるリスクがある」「障害を持つ人のためにムービーを再利用する人が訴えられ得る」「後世のためにウェブコンテンツをアーカイブすることが難しくなる」などの理由で、反対の意見を出していました。

6年という長い時間議論が重ねられてきたEMEを、W3Cが正式に勧告したことを受けて、EFFはW3Cからの脱退を正式に発表しました。
EFFは、W3Cは大企業のメンバーが中心となった運営が行われておりW3C内にオープンなウェブを求める者による反対意見があるにもかかわらず一方的に却下するなど「合意に基づいて活動する」という方針はうわべのものに過ぎない状態であると痛烈に批判し、「W3Cは今回の決定を後悔するだろう」と述べています。

また、Linux Action Showの創業者であるBryan Lunduke氏も、EME採択の投票は密室で行われているとW3Cを批判しています。
EMEを勧告する方針を決めていたW3Cに対して、Lunduke氏はW3Cに対して議論の透明性を高めるようにという注文をつけ、仮にEMEを正式勧告する場合にはプロセスを全面的に公開するよう求めていたとのこと。
Lunduke氏が個々のメンバーの投票について公開するよう求めたところ、W3Cは「投票を公開するオプションは提供されていましたが、誰もそれを取り上げなかった」と回答しています。


Lunduke氏は、本当にメンバーに投票を公開する選択肢が与えられていたのかとしつこく確認しています。


納得がいかないLunduke氏は、メンバーだったEFFに確認したところ、EFF代表のCory Doctorow氏は、「私の知る限りW3Cは投票を公開して問題ないかどうかについてメンバーに尋ねたことはなかった。
もしあれば、EFFは反対票を投じたと公式に記録してもらうのを光栄に感じただろう。
数十億人のウェブユーザーに影響を与える標準化作業の透明性を高める上で、最低限のステップだと感じている」と述べています。

2017年9月18日にオンラインで開催された記者会見によると、最終投票に参加したのは400以上いるメンバーのうち185名で、108名がEMEを支持、57人が反対、20人が棄権だったとのこと。
オンライン記者会見に参加したLunduke氏は、個々のメンバーの投票結果を公開するように求めましたが、W3Cは公開予定はないと回答しています。

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