隠れ心臓発作を知らずに経験している人は驚くほどに多い

「隠れ心臓発作」を知らずに経験している人は驚くほどに多い

心臓発作はドラマの中で、登場人物が胸を手で押さえ、苦しそうな表情を浮かべながら膝をつく……という劇的な様子で描かれます。
もちろん、実際の心臓発作でもこのような状況は起こり得ますが、一方で本人が気づかないうちに心臓発作を起こしていることも。
静かに起こる心臓発作の症状がどのようなもので、いかに人が「様子を見る」という選択をしがちなのか、研究から判明しています。

BBC – Future – Can you have a heart attack and not realise it?
http://www.bbc.com/future/story/20170912-can-you-have-a-heart-attack-and-not-realise-it

心臓発作は、心臓への血流が血餅などによって阻害されることで生じますが、人によっては全く胸に痛みを感じず、ゆえに救急への連絡が遅れる人もいます。
あるいは、痛みが穏やかであるために「消化不良だろうか?」と考え、病院に行って心電図を取ることで初めて心臓にダメージがあると知る人も。
2016年に発表された研究によると、このような静かな心臓発作は全体の45%をも占めているとのこと。

静かに心臓発作を起こしている人は体調不良であることを認識しており、あごや首、腕、お腹、背中などの痛みや、吐き気、発汗、息入れや呼吸が弱くなっていることを感じるものの、その症状が心臓発作であるとは考えません。
しかし、これらの兆候の組み合わせは、心臓発作と診断される人に多く現れます。

胸の痛みを伴わない心臓発作は女性に起こりやすく、ゆえに女性は助けを呼ぶことが遅れることが多々あるとのこと。
そこで、2009年にカナダの研究者らは、心臓発作を系統的に見分けられるようにするために、血管形成術を受けている最中である305人の患者を調査。
血管形成術は血流が阻害されているところに小さな風船のようなものを入れて血流を再度促すための施術で、心臓発作患者に対する処置として行われます。
研究者らが、処置を行われている患者らに気分を尋ねたところ、胸の不快さや腕の痛み、息切れ、発汗、吐き気については男女間における違いがなかったのですが、女性は胸に加えて首や顎に痛みを感じている傾向が高かったそうです

一方で、胸の痛みについては、男女ともに等しく感じるとする研究があれば、男性の方が胸に痛みを感じやすいとする研究もあり、研究結果が一貫していませんでした。
これは、研究者らが心臓発作以外の診断についても調査していたことが原因だとして、2011年には「心臓発作の症状に男女間で違いがあるか」ということのみを目的とした再調査が行われました。

この大規模な研究は、アメリカ・日本・スウェーデン・ドイツ・イギリス・カナダで行われた、26の研究からデータが取られました。
全ての研究を総合すると、被験者は約90万人にものぼります
調査の結果わかったのは、女性は男性よりも胸の痛みという症状が出にくく、一方で疲れや吐き気、めまい、首の痛みを感じやすいということ。
いずれの性別においても胸の痛みを感じる人は大多数でしたが、3分の1の女性および4分の1の男性は胸にいかなる症状も感じておらず、何が起こっているのかを理解するのが難しかったとのことです。

静かな心臓発作は症状のわかりにくさから、助けを呼ぶのが遅れる傾向があり、時間の遅れの中央値は2~5時間であるとする研究結果も
2017年9月に発表された研究では心臓発作を起こした18人の女性にインタビューを行ったところ、18人のうち8人は何かがおかしいと気づきすぐに病院に向かいましたが、症状があいまいだったためしばらく様子を見た後に重篤化して病院に向かったのが3人、症状の悪化は感じつつも心臓発作とは思わなかったため様子を見た女性は7人もいたとのこと。

心臓発作を起こしても、それが心臓に関係しているとは思わずに「様子を見る」という選択をする人も多くいますが、「静かな心臓発作が存在する」ということを認識して早急に対処することが生死をわけそうです。

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