ドル円は買戻しも10日線で止められる 明日は米CPI

 きょうのNY為替市場でドル円は買戻しが優勢となり113円台に戻している。前日から戻リ売りが優勢となる中、イエレンFRB議長の前日の議会証言をきっかけにドル円も売りが強まった。本日の東京からロンドン時間にかけても上値の重い展開で、一時112.85付近まで下落していた。

 しかし、NY時間に入ると買戻しが膨らんでいる。イエレン議長の2日目の議会証言が行われていたが、前日の証言から大きな違いはなく、市場への影響は小さい。また、この日は生産者物価(PPI)や新規失業保険申請件数が発表になっていたが、反応は限定的。

 原油相場や米株が堅調に推移する中、米国債利回りが上昇しドル円の買戻しをサポートした模様。下値ではマクロ系ファンドの買いも観測される中、ユーロ円の買いがドル円をサポートしたとの指摘も聞かれる。

 ただ、あくまで下げ一服という範囲で、本日の10日線は113.40付近に来ていたが、その水準では上値を抑えられていた。

 イエレン議長の議会証言も通過し、いよいよ明日は注目の米消費者物価(CPI)の発表を迎える。予想ではコア指数で前年比1.7%と前回と変わらずが予想されている。前月比では0.2%増。CPI(コア指数)は今年に入って鈍化傾向を強め、前年比では4ヵ月連続で鈍化している。市場では今回は鈍化傾向も一服するとの期待も出ているようだが、前回と伸びは変わらずがコンセンサス。エコノミストもインフレには慎重なようだ。前年比で1.7%か1.8%が予想の中心で、1.8%が出ればドル買い戻しの反応も見られそうだが、概ね予想は2対1といったところ。

 ユーロドルは利益確定売りが続いており上値が重い。再び1.13台に値を落としているが、一方で1.1380に接近すると買いオーダーも出るようで下押す気配までは見られていない。

 ユーロに関しては来週のECB理事会が最注目となる。前回同様に出口戦略に向けたアナウンスメントが出るものと予想されているが、先月のECB理事会では景気の下振れリスクの文言は削除したものの、「必要なら債券購入プログラムの拡大延長を行う」という文言は温存されていた。今回はこの部分が削除されるか注目だが、市場の過剰期待を緩和するためにも、温存との見方も根強い。

 なお、ドラギECB総裁が8月下旬に米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムへの出席が発表された。3年ぶりの出席となるが、前回の出席時には量的緩和(QE)への政策変更を示唆する発言を行っていた。今回も政策変更に向けて何らかのヒントを出してくる可能性があり、それを踏まえて出席を決めたのではとの憶測も出ている模様。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

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