弱い米CPIや小売売上高受けドル下落 ドル円は21日線は維持

 きょうのNY為替市場、朝方発表になった米消費者物価(CPI)や小売売上高が弱い内容となったことでドル売りが強まっている。ドル円も売りが強まり、一時112.25付近まで下落し、21日線を下回っる場面も見られた。ただ、その後は112円台を維持し、21日線付近まで買戻されている。米株や原油が上昇、また、米国債利回りも下げ幅を縮小したことから、ドル円もサポートされた模様。

 この日のCPIはコア指数で前年比1.7%と前回と変わらず、予想通りではあったものの、前月比では0.1%上昇と小幅な上昇に留まり、全体を見ても前月比で下げているアイテムが多い。イエレンFRB議長は今週の議会証言で、インフレの動向を注視して行くと強調していたが、今回のCPIもインフレ鈍化が懸念される弱い内容ではある。

 ただ市場は、6月ほどネガティブな反応も見せていない印象。9月のFOMCでの利上げはなく、年内はあっても12月との見方がコンセンサスになりつつあるが、その点は既に織り込んでしまっている面もあるのかもしれない。むしろ、日銀と各国中銀の金融政策の温度差に市場の関心が向かっており、円安の動きがドル円を支えているようだ。

 一方、ユーロドルは買いが強まった。1.14台前半から1.1470近辺まで一時上昇。以前ほどはユーロ買いの勢いも無くなった印象もあり、ポンドや円といった対クロスでは売りが優勢となっている。ただ、ECBの出口戦略への期待から底堅さは依然として堅持している。

 目先は来週のECB理事会が注目となる。前回同様に出口戦略に向けたアナウンスが出るものと予想されている。先月のECB理事会では景気の下振れリスクの文言は削除したものの、「必要なら債券購入プログラムの拡大・延長を行う」という文言は温存されていた。今回はこの部分が削除されるとの見方が有力だが、市場の過剰期待をけん制するために、温存されるとの見方も一部では根強い。拡大の部分は削除すするものの、延長は残すとの見方もあるようだ

 先月27日のポルトガルのシントラで開かれた年次のECBフォーラムでドラギ総裁が「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さが増し、裾野が広がっていることを指し示している。 デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」と発言し、市場が過度に敏感に反応。欧州債利回りは急上昇し、ユーロも急上昇した。

 ECBも急激な市場の動きに警戒感を持っているものと見られる。来週の理事会では、9月か10月に量的緩和の拡大ペース縮小計画を発表する可能性は示唆するものの、慎重姿勢も強く打ち出す可能性もありそうだ。その場合のユーロの反応は非常に未知数。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

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