AIはゲームプレイ動画からスーパーマリオブラザーズやロックマンのゲームそのものを再現可能

AIはゲームプレイ動画からスーパーマリオブラザーズやロックマンのゲームそのものを再現可能


これまで人工知能(AI)はしたり、したりと、さまざまな成果を残してきました。
これらはすべて「ゲームをどうやってプレイするのか?」をAIに教えさせた成果ですが、ジョージア工科大学の研究グループはまったく異なるアプローチでAI研究を進めており、「どうやってプレイするか?」ではなくゲームの仕組みそのものを学習させることでゲームそのものを再現可能なAIシステムを作り出しています。

AI learns to re-create Super Mario Bros. by watching someone else play it – The Verge


ジョージア工科大学の研究グループが公開した「(PDF)(ゲームエンジンをムービーから学習する)」という論文では、スーパーマリオブラザーズのようなゲームのゲームエンジンを再現可能なAIシステムについて解説されています。
研究グループの開発したAIシステムは、ゲームのコードにアクセスすることなく、単にゲーム画面のピクセルを見るだけでゲームエンジンについて学習し、同じようなゲームエンジンを作成することが可能だそうです。

ただし、ただゲーム画面を見せるだけでゼロからまったく同じようなゲームを作り出すことができるというわけではありません。
ゲームエンジンを模倣するAIシステムには、学習前に2つの重要な情報が提供されます。
ひとつはゲーム内に登場する全てのキャラクターのデータで、もうひとつはオブジェクトの位置や速度などに関する基本的な概念セット。
この2つのデータを基に、AIシステムはゲームプレイムービーをフレームごとに分解し、表示される要素を分類し、ゲーム内のアクションにおけるルールを解き明かしていくそうです。

以下のGIF画像は左が通常のロックマンのゲームプレイ画面で、右はAIがゲームプレイムービーを基に再現したロックマンのゲーム画面。
画面上のオブジェクトの柱が消えているだとか、床が細かく動いているなど奇妙な点はありますが、ロックマンや敵の動きをほぼ正確に再現できていることがわかります。
ただし、ロックバスターは真っ直ぐではなく床を貫通して斜めに飛んでいる点はご愛敬。

「(ゲームプレイ)ムービーの各フレームに対して我々はパーサー(解析ツール)を持っており、これを使って情報を集めています。
例えばどのような情報を集めるのかというと、マリオがどんなアニメーション状態にあるのかや、オブジェクトがどのような速度で動いているのかなどです」と語るのは、論文の第一著者であるMatthew Guzdial氏。

さらにGuzdial氏は、「あるフレームでマリオがクリボーの真上におり、次のフレームでクリボーが消えると想像してみてください。
この場合、『マリオがクリボーの真上におり、下方向に速度がある場合、クリボーは消える(倒される)』というルールが存在することに気づきます」と、ゲームのプレイムービーを分析することでどのようにAIがゲーム内のルールを解き明かしていくかについて語っています。

時間の経過と共にAIシステムはあらゆる細かなルールも構築していき、これを一連の論理ステートメントとして記録し、これらを組み合わせることでゲームエンジンに近づけていくそうです。
ゲームが分析する細かなルールは、AIがゲームそのものを再現する際に使用されるプログラミング言語にエクスポートすることも可能とのこと。

ただし、現状のAIシステムでは2Dプラットフォーム上のゲームを再現するのが限界で、これは特定のゲームで何が起こるのかを定義することを人間に依存しているからだそうです。
また、3Dゲームの場合、全ての情報を定義するにはより高度なマシンビジョンツールと、分析時間が必要になるとのこと。

なお、ジョージア工科大学の研究者グループは、将来的にこの技術をビデオゲームの仕組みを解き明かすだけでなく、実生活の中で役立てることも考えています。
これは人間が理解しているように、AIにも世界を理解させるという取り組みになるため、実現にはいくつかのブレイクスルーが必要となることは明らかです。
しかし、それは不可能ではなく、「将来のバージョンでは、限られた現実の領域を分析できるようになると思う」とGuzdial氏は語っています。

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