ドル売り一服も週末リスクで上値重い

 きょうのNY為替市場はドル売りが一服。
米国債利回りや米株が上昇に転じたことからドルも買い戻されている。
きょうのドル円は107円台前半まで急落し年初来安値を更新していたが、NY時間に入って108円台まで戻す場面も見られた。

 きょうのドル円の下げについて直接の材料は見当たらなかったが、前日からのドル売りの流れを受けて投機筋が仕掛けたとの観測も聞かれた。
仕掛け的な売りであれば、一旦下げ止まれば買い戻しも入りやすかったのかもしれない。
ただ、108円台に入ると上値も重かった。

 カリブ海で発達しているハリケーン「イルマ」が、週末の土日に米フォロリダ半島に上陸する恐れがあり、市場では警戒感が高まっている。
また、土曜日は北朝鮮の建国記念日でもあり大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射への懸念も根強い。
週末リスクを警戒し上値には慎重になっていたものと思われる。

 また、きょうはダドリーNY連銀総裁の発言が伝わっていたが、ハリケーンが短期的に米経済に悪影響を及ぼし、利上げ時期に影響する可能性に言及していたことも上値を重くしていたのかもしれない。
ハリケーンの影響次第では、年内の利上げ期待が更に大きく後退する可能性は否めない。

 108円台のメドとしては、きのうまでの年初来安値だった108.15付近が意識される。
モデル系の売りがドル円を押し下げたとの観測もある中、108円台前半を突破できるようであれば買戻しに弾みが付く可能性もあるが、来週の注目となる。

 一方、ユーロドルは戻り売りに押され1.20台前半まで値を落している。
ただ、1.20台はしっかりと維持されており底堅さは堅持した。
しかし、対ドルでは堅調なユーロだが、対ポンドや円に対しては軟調に推移しており、以前ほどの強さまではない。

 前日のECB理事会後のドラギ総裁の会見で、「最近のユーロのボラティリティの高まりは不確実性の源泉。
将来の政策決定には為替も考慮する必要がある」と述べるなど、ユーロ高への警戒を予想以上に強調していたものと思われる。
この発言で来年からの出口戦略は予想以上に緩やかなものになるのではとの見方も出ており、対クロスでの下げはその辺の影響が出ているのかもしれない。

 とはいえ、きょうのユーロドルは一時1.2090近辺まで上昇するなど上値追いが続いており、年末までに1.25との声も出てきている。
過熱感を指摘する向きも少なくはないもののその一方で、購買力平価からすれば、ユーロドルはまだ割安との指摘も出ている。
OECDが算出している購買力平価からすると、ユーロはドルに対して11%程度割安で推移しているという。
もっとも、購買力平価と実際の為替レートの関係については賛否両論が数多くあるのも事実ではあるが。

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